東タ連について

東京都タイル煉瓦工事業組合連合会(略称:東タ連)

1 連合会 事業概要

 東京都タイル煉瓦工事業組合連合会(東タ連)は、1976年(昭和51年)にタイル張り技能検定実技試験の実施の受け皿として、東京都内のタイル・煉瓦・築炉業等に関連する事業所で構成される6団体(組合)の連合体として結成された。その後、時代の変遷のなかで3団体が解散し、現在は、次の3団体で構成される。

一、東京都タイル煉瓦工事工業協同組合(理事長;上島康秀、構成員;100社)

一、東京タイル築炉業協同組合(理事長;森井 政明、構成員;41社)

一、武蔵野タイル工事組合(組合長;島村 徳之、構成員;13社)

 東タ連の中心的業務はタイル張り技能検定実技試験の実施であるが、組織的には技能検定運営委員会、総務委員会、広報委員会、組織委員会の4つの委員会をおき、組合員の技術的、経済的および社会的地位の向上を図り、業界の発展に寄与するため次の事業を行なっている。

一、タイル煉瓦工事に関する技術、資材ならびに経営の進歩改善

一、タイル煉瓦工事に関する情報および資料の収集ならびに交換、提供

一、加盟組合共通の利害に対処するための諸活動

 以上の活動を推進するために毎年1回総会を開催して事業の総括、事業計画の策定、収支決算・予算の確定を行なうほか、団体長会議、技能検定実施に伴う運営委員会・技能検定委員会・水準調整会議等を実施、受検者のための実技・学科講習会なども積極的に開催している。また、組合対抗ソフトボール大会は連合会の福利厚生事業として人気が高い。

 

   

熱戦のソフトボール大会

【東タ連の概況】

会  長;森井政明(東京タイル築炉業協同組合 理事長、輪番制)

副 会 長;上島康秀(東京都タイル煉瓦工事工業協同組合 理事長)

島村 徳之(武蔵野タイル工事組合 組合長)

組合員数;154社

年間予算;350万円

事 務 所;東京都新宿区市谷田町2-19 こくほ21 4階 

TEL 03-5225-6466

                     

東タ連総会

2 技能検定の取組み

 タイル張り技能検定は、職業能力開発法に基づいて昭和37年度から実施され、翌38年は見送られたが、以降、全国都道府県で毎年実施され平成24年度で49回を数える。東京都では東タ連が東京都職業能力開発協会の委嘱を受けて実技試験を実施している。(なお、昭和57年から開始された単一等級れんが積み技能検定実技試験も東タ連で実施してきたが、こちらは昨年より休止された。

 実技試験実施にあたっては、連合会を構成する各団体長・役員・事務局が一体となって技能検定制度の意義および実施方法について周知し、委嘱を受けた技能検定委員・補佐員および運営委員が協力して、試験の厳正かつ公正な実施・運営に努め今日まで続いている。

 

東タ連 技能検定委員・補佐員・運営委員一同

 

(1)技能検定取得の意義やメリット

 技能に対する社会一般の評価を高め、働く人々の技能と地位の向上を図ることを目的として実施される技能検定の意義は、タイル張り(作業)にかかわる組合員(所属事業所の職人)等にはよく周知され、積極的に受検が推進されてきたように、確かな技能の証として各組合、各職場でも一定の評価は得られている。

 また、検定委員・補佐員・運営委員には世代交代や若手の登用をすすめ、日頃、現場施工で培っているタイル張り技能の適正な継承を図り、進展するタイル施工法に関して相互の再検証を行なうことで、技術交流を深める場としての重要性も認識されている。

(2)タイル技能工にとっての技能検定取得の意義

 上記の一般的な意義は十分に認識されていると思われるが、それ以上に目にみえる形での技能検定取得者に対するメリット(施工単価のアップや特別報償など)を期待する声は根強い。そのためには資格の更新を義務づけることによって技能の向上と業界における技能者の地位向上を図ったらどうかとの意見もある。

 野丁場(大きな建築現場)ではタイル張り1級技能者の現場常駐が義務付けられているため、検定を取得しなければ仕事にならないという背景も一方にはある。

(3)技能検定取得へのサポート体制

 東タ連では、技能検定の課題習得のために受検者を対象に「実技講習会」「学科講習会」を実施している。検定委員が講習会に関与しないことを徹底し、個人情報の保護を順守しながら、厳格な運営に努め、受検者の皆さんが講習を受け、しっかりした準備、練習をして技能検定に臨むよう推進している。タイル技能者の皆さんには、信頼性の高い国家資格を取得することで、タイルの適正施工とより高い技能の追求を実現し、それを仕事に生かしていくことが期待される。

 

   

技能検定実技講習会のもよう(1級)   技能検定実技講習会のもよう(2級)

 

(4)技能検定の今後に向けて

 タイル張り検定の受検者数は、残念ながら近年減少傾向にある。平成16年度から受検資格が大幅に緩和され、受検しやすくなったことから、その後数年は受検者数はかなり増加したが、何年か後にはやはりそれ以前の水準に戻ってしまい漸減傾向は否めない。その背景には建築不況やタイル需要の減退もあろうが、受検者数の確保は連合会の喫緊の課題として対策を検討している。

 

タイル張り1級技能検定 実技試験    タイル張り2級技能検定 実技試験